保育士の先生達も全員が、現在の建設予定地への移転計画に反対しています。
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中央保育園で働く保育士の先生達も全員が、現在の建設予定地への移転計画に反対しています。やっと、この件を書くことができるようになりました。
福岡市(高島市長)は現在、「保護者だけが反対をしている」というように発表しています。
ところが福岡市こども未来局もご存じの通り、現実はまったく違います。
「登園時刻や降園時刻の朝と夕方は、今でも車と自転車、歩行者が入り乱れている場所に、さらに子ども連れの親子600人が加わる。それが毎日、しかも雨の日は傘をさしてです。

さらに300人という園児を逃がす避難経路も確保できず、もし正門から道路に逃げてもガードレールも無い状態で子ども達300人が飛び出したら今度は車にひかれる。」
保育の現場に精通している先生方はこの辺を特に気にしていまして、中央保育園で働く保育士の先生達も全員が、
「風営法もそうだけど、登園時・園外保育時・非常時、どれをとっても子ども達の命を守れると言える場所ではない。として、現在の建設予定地への移転計画に反対しています。
こども達の命を考えると、あの土地は保育をする環境ではない」
マスコミの方々も先生達に直接話を聞いてみてください。市の発表と現場の生の声の差に驚くと思います。
現在、中央保育園では38名の保育士の先生達が働いています。そして全員があの場所への移転計画に反対と言われています。
実は私たちの活動そのものが、最初は中央保育園で働かれている先生たちからのお願いから始まりました
「私たち保育士は立場上、表だって法人の移転計画に反対はできない。お父さんがただけが頼りなんです。お願いします。助けて下さい(涙)」私たちは決して、ただ反対!反対!と叫んでいるモンスターペアレントではありません。
もともと中央保育園は現地建て替えの話でしたが、そのとき私たち保護者も先生達も何も反対などしていませんでした。むしろ耐震面の不安がなくなり、新しい園になることを嬉しく思っていました。
さらに、建て替えるのであれば、待機児童の問題もあるから広くなり定員も増えるだろうと考えていました。
ところが、高島市長が急に吉田前市長の決定を覆し、建て替えをやめて、現在の場所には商業施設を入れお金を稼ぐ。そして、中央保育園は移転させる。と言い出したのです。
誰が見ても保育園におかしい土地ですし、今泉に古くから住んでいる保護者や先生も、他の地区に住んでいる保護者や先生たちからも「車やバイクの交通量と道幅の狭さ、そして環境的にもあの場所は保育園にはありえない」と言う声があがりました
先生達も当然ながら、園を運営する法人にたいして「再考してほしい」と伝えましたが、法人(社会福祉法人 福岡市保育協会)はマスコミからも指摘され、厚生労働省や、待機児童問題に詳しい明星大学の垣内国光教授や、西南学院大学の安部計彦教授からも指摘された保育に適していない土地への移転に賛成しています。
私たち保護者だけが「計画に反対」と言っているだけであれば、モンスターペアレントとかうるさい親と思われるかもしれませんが、現場で働く保育士までもが「子ども達の命を守れない。保育に適した環境ではない」と言っているのです。
ところが、保育士の先生達に「あの土地への移転計画に反対をするなら職を辞せ(要は、移転に反対なら辞めろ)」という憲法で保障された言論(表現)の自由を奪う「箝口令(かんこうれい)」が法人から言われました。
辞職をちらつかされ脅されたりすることで、たとえ保育に適した場所ではないと理解しながらも、先生達は声をあげて「あの土地への移転計画に反対」と言えなかったのです。
2013年3月18日に福岡市こども未来局を交えて、園による保護者向け説明会がありましたが、その最後の挨拶で、主任保育士が涙を流しながら「一生懸命に努力をして良い園を作っていくので、移転に関してご協力ください」という挨拶もありました。
生活のためにも仕事を辞めるわけにもいきませんし、建て替えにより追い出されるため、移転計画に反対した結果、もし中央保育園がなくなってしまうことになれば、先生達を信じて園に預けてくれている家庭や子どもたちが待機児童になってしまう事を思えば、当時はそう言うしか無かったそうです。
保育士の先生達はそこからさらに悩み始めました。
先生達は以前から、そして今も現地建て替えを望んでいます
しかし、これまでは職をなくすことも考えると表だって移転計画に反対ということは言えませんでした。
しかし、転機が訪れます
それまでは、本当に保育園の中だけの話でしたが、4月15日にFBSのNews5ちゃんで放送された事をキッカケにこの問題が一気に広まりました。そして、あの予定地を知っている人であれば、「あそこに保育園を建設するのはおかしい」と95%くらいの人が言うようになりました。
そうして少しずつ先生達も発言ができるような環境が整ってきたのです。
そして先生達は5月18日の土曜日に話し合って、ついにある結論でまとまりました
「自分たちがクビになるのは覚悟して、やっぱり移転計画に反対しよう。そして、その考えで保育士全員がまとまったことを私たち保護者の会に話してくれました。
もしあの土地に建設されてしまえば、本当に守るべき子ども達の命が失われる可能性すらある。
子ども達の【命】には代えられない。
自分たちは保育士であり、国家資格者だ。
保育のプロとして子ども達を守る義務と責任が私たちにはある」
そこにいたメンバー全員が泣きました。先生達も泣いていました。
「本当につらかったんだと思います。先生達も心に無いことを言った説明会以降、眠れない日々を過ごしていたんです。しかし、それでも先日までこの件はまだ書かないで欲しいと言われていました。解雇や見せしめとして他の保育園への配置転換などもありえたからです。
それと同時に怒りもわいてきました。
これほど子ども達の事を考えて、辞める覚悟もあるという本当に保育士の鏡とも言うべき先生達が悩んでいるのに、なぜあんな保育環境に適していない土地に移転しなければいけないんだ?
解雇をちらつかせ、保育士の先生達を脅してまで移転を決行させようとする人たちは、子どものことを考えていないのだろうか?」
しかし、本当に地域や環境の事を考えている地元の人からの助言もあり、子ども達や保育園のことを考え移転計画に反対したのに、不利益な処遇をうけないよう、先生達はユニオン(公共の労働組合のようなもの)に加入することにしました。現在では20名という過半数を超える人数が加入しています。
よくある労働組合のように「賃金を上げろ!」とか「残業を減らせ!」とかそういった事を求めるのではありません。保育士の先生方は、「子ども達のために本当に正しい判断をしてもらいたい。その意見を言った人の言論封殺などはしないでほしい」という気持ちのみであり、「長期的に見て園のためにもなる【移転計画に反対】と言う意思表示を先生がすることで、解雇や配置転換、雇い止めなどをしないでほしい」という当たり前の事を認めてもらうために加入されました。
そして、社会福祉法人福岡市保育協会の園長と理事長を相手にした、ユニオンの方を交えての第一回目の団体交渉が2013年6月18日におこなわれました。
その団体交渉が無事終わった事と、もう一つある事項による意思確認ができたことで、本記事を書くことができるようになりました。
「もう一つのある事項による意思確認」とは?
「もう一つのある事項による意思確認」とは、秘密裏に進められていた、建設予定地の東側の土地の追加購入による避難経路の確保です。詳しくは上記の記事をご覧いただくと分かりますが、私たちは保護者としても納税者としても、「保育の環境に適していない現在の建設予定地への移転計画に反対」と言っているわけでして、追加で裏の土地を買って欲しいなど誰も言っていませんし、望んでいません。
しかしもし、先生達がそれを望んでいて、「多額の税金を使ったとしても避難経路が確保されたら問題無い」と思うのであれば、私たち保護者だけが今回の計画に反対をすることになると考えていましたし、先生達が移転賛成であれば私たち保護者だけが違う方向を向いて「計画の再考」を願い活動をし続けるのはどうかとも正直思っていました。
ところが先生達にこの駐車場になっている土地の追加購入の件を伝えたところ先生達で話し合われました。そして、
「私たちも同じです。土地を追加で買ってまで避難経路を確保したから賛成になるかと言えば、そうではない。そんなことは望んでいない。と言われました。
あの土地の環境が保育をするのに適していないと言っていますし、その気持ちは変わりません。
当初の話通り、現地建て替えが保育の観点からももっとも良い100点の選択肢です。
どうしても現地建て替えが不可能であっても、現在の土地に300名の保育園はありえない。
現在の広さと同じ750㎡ほどの土地を2箇所探し、さらに地区を分散させて正しい待機児童解消をするべきです。」
実はこれまでに、これらの内容があり、今回記事にさせて頂きました。
長くなりましたが、このような経緯です。
※今回の建設予定地 ↓

※この目の前の今泉公園通りの交通量が非常に多く、現在でも自転車との接触事故など交通事故多発地帯です。さらに一日二回600人が増えるのですから、事故も増えますし、この道を通る車にとってもとても迷惑となります。

福岡市こども未来局や高島市長は、保育のプロである保育士の先生方の生の声をぜひお聴き下さい。
こども未来局の職員や高島市長は保育のプロではないはずです。保育園で毎日子ども達を保育するという環境を経験したことがないはずです。
私たち保護者も保育のプロではありません。だからこそ、先生達が言っている言葉は重いのです。
中央保育園は福岡市のモデル保育園であり、それは古い建物からも分かるとおり、建物がどうこうではなく歴史があり、とても優秀な保育士が揃っている事による保育の質によりモデル保育園となっています。
そのモデル保育園の代名詞とも言える先生方が、今回の移転計画には反対をしています。
福岡市こども未来局や高島市長は、一流の保育のプロ達が言われている、この声をどう思うのでしょうか?
保護者も、現場で働く保育のプロである保育士の先生方も、保育に詳しい大学教授も、署名された5000名以上の市民も「現在の土地はありえない」と言っています。
子ども達のためにも、元の話通り中央保育園の建て替えをおこなってください。
現在の土地は保育園には適していませんが、商業施設を建設する土地としては充分に活用できる土地だと思います。
そちらに転用したり、土地を売ることで損はないと思います。
中央保育園の現地建て替えと、待機児童解消のために薬院や警固、待機児童が多い東区や南区に園を建てるという判断をぜひされてください。
保育士の先生方もそれを望んでいるのですから
私たち保護者は待機児童解消には大賛成です。本サイトをご覧いただければご理解いただけていると思いますが、現在、保育園に通わせられている私たちだけが良ければ良いとは思っていません。待機児童解消には大賛成です。しかし、今回の移転は待機児童解消にすらならないのです。待機児童解消にならない今回の移転計画の詳細はこちらをクリック。現地建て替えで実は天神地域の待機児童解消となる定員増の計画でした。吉田前市長時代から、三年も費やして練られた計画であって、私たち保護者も納得していました。ところが高島市長はそれを覆し、保育園に適さない不必要な土地を関係企業から購入する決断をし、子供達の命を危険にさらしているのです。現地を知る人は皆さん、「あそこは保育園としてありえない」と言いますし、不動産鑑定士の先生も同じ発言をされています。上記記事をご覧いただければ納得いただけると思いますが、私たちは本当に待機児童解消を求めています。平成26年4月には待機児童を未入所児童に変換し、見せかけだけの待機児童ゼロを達成したと発表をするために、適さない土地にマンモス保育園を建設しようとしているのです。そしていつか命が失われるのです。
住民訴訟のために弁護士費用等に関して寄付のお願い。新聞やテレビでも報道されていますが、福岡市に対して住民訴訟や裁判をおこなっています。保護者や先生方だけでは資金面で難しいため、裁判費用等に充てるために寄付のお願いをしております。少額で構いませんのでぜひ、ご協力のほどよろしくお願いいたします。助けてください
保育士の先生方も皆が現在の予定地へ反対表明をしています※必読
この移転問題の真相その1。西鉄と中央児童会館と髙島市長編※必読
実際は福岡市の待機児童解消にはならない中央保育園移転をデータで証明※必読
配布・拡散用のビラ「市長の公約よりこどもの命を優先してください!」※ご自由に配布・周知・拡散ください
« 6月度福岡市第2委員会の件が毎日新聞に掲載されました ← 次の記事|
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子どもたちの健康や生命の安全、あるいは健全な育成を軽視した市の担当者や市長の対応に、憤りさえ覚えます。
陰ながら応援していますので、みなさんがんばってください。
一点訂正を求めます。
「ユニオン(公共の労働組合のようなもの)」と書かれてますが、ユニオンは正式な労働組合であり、「のようなもの」ではありません。
返信が遅れて申し訳ありません。
こちらですが、あえて分かりやすくするためにそう書いております。
「労働組合」と書いてしまうと、どうしても昔のバチバチに争うイメージとなりますので、最も現実に近い形にイメージができる形で(のようなもの)をつけさせて頂きました。
詳しい方や専門家からすると正しく用語を使ってほしいかもしれませんが、
分かりやすく理解してもらうための文章なのでご了承ください。